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2010.2.19 モノ部

自転車(チネリ)ツイッターの縁で12万で売れるの巻

自転車が好き。
踏み込むとすーっと滑るように進むところがいい。
大地を支配下に収めたように、一瞬でも錯覚させてくれる。
中学1年で、友人の影響でチャリにハマり、
高校卒業まではロード乗ってました。
つっても、高級車は買えるわけなく、
ちまちまとパーツ買い替えたりしてなんとかマシなものぐらい。
中2の時『サイクルスポーツ』の「売ります」コーナーで
横浜の人から、フレームだけ買ったりと。
ノンストップで、金沢〜七尾間日帰りしたのが最高距離なので
まあほんの遊びロードでしたが。

上京後してからは、たまに欲しいなあと思ったものの
さほどアツクなるまでいかず、
ママチャリに毛の生えた程度のものでお茶を濁していた24年間。
しかし7年前の、坂崎幸之助…じゃなかった、アルフィー…じゃなかった
ある日。
イラストレーターの木内達朗さんとこに行ったら
昔の黒いチネリがありました。
それも、僕が舌なめずりしたくなるポイント、ラグメッキの!
(フレームの繋ぎ目が銀メッキしてあること)
木内さん曰く。
「ヤフオクで買ったんですが、昔のチネリもけっこう出ますよ」
くすぶっていたチャリ魂が星飛雄馬の目玉的に燃え上がり。

それから日々ヤフオク見ていてすぐに買ってしまったのです。
赤いラグメッキのチネリ。

5人で競って、最後アツクなり12万入れて落札。
大阪の方で、「自分が2オーナー目です」ということだったから
僕が3オーナー目。
かなりきれいな状態でしたが、発売後20年ぐらいじゃないかと。
ペダルはナシだったのでそれはまたヤフオクで
カンパの超レアな新古品を広島の外人さんから、3万で購入。
計15万。

これでも自転車好きからしたらかなりカワイイ金額です。
1万でスーパーで買ったチャリ乗ってたのにいきなり夢のチネリですよ。
デ・ローサ、コルナゴなどと並んで
高校生当時は一生オレには買えないと思っていたブランド。
今は安いラインナップもあるんですけどね。
当時は、車でいう、ポルシェ、ランボルギーニ、ロールスロイスなど
まあそんないわば裕福のバッジみたいもんですよ。
昔から、体操やフィギュアスケートで
「3回転半捻り」とか聞くたびに心の中で必ず
「3回転半チネリ」と井伊直弼、いや言い直すほど
憧れていました。

それで家から事務所まで通勤してました。
たった片道12分ぐらいなんで近過ぎてつまんなかったですが。
そしたら昨秋、僕の右背中、腕を襲ったのが
椎間板ヘルニアヘルツェゴビナ。
けっこう痛いので、今後のことも考えて
姿勢的に首に負担が大きいドロップハンドルはもう引退しようと決意。
ならばこの際、チネリを売って、
安いフラットバーハンドルのロードにしようと
ぼんやり考えてたのが年明けから。

でもね、ヤフオクって買ったことはあるものの
売ったことはないんですよ。
理由は3つほど。
●アップするのも送るもの限りなく面倒なイメージがある。
●競って買うのはいいんだけど、競らせる、みたいな感覚が好きくない。
●自分の愛着あるものは会ってやりとりしてから譲りたい。
という。

なもので、「でもヤフオクしかねえよなー」
と思いながらも気乗りせずぼやぼやっとしてたわけです。
そんな、ハウンドドッグ…じゃなかった、アルフィーじゃなかった
ある日(2度目)。

ふと見たツイッターで、
日経三世、じゃなかった日経BP社の編集者・柳瀬さんが、
つぶやいてた。
「……そんな昔はスピードでは誰にも敗けなかった僕ですが、
今買うならどんなのがいいか、誰か教えてください」
的なことを。
で僕はなにげにRTでレス。
「僕のチネリ買う人探し中ですが(笑)。赤いラグメッキの超レアものです」
そのつぶやきに、柳瀬さんは
「おお、石黒さんもサイクル野郎ですか」という内容のRT。
僕も話はそこで終ると思っていましたが、
なんと翌日、
「興味あります。詳しく教えていただけますか?」
とぽつりとレスが。
しかも、柳瀬さんの知り合いでもなく
本人も、誰かのRT見たとしか記憶ないという……。
お互いにつながりが見えないという不思議な感じ。

がつんとカットしますが
それからとんとんと会うことになり一回乗りにきてくれ、
高額なので慎重に1週間考えますといってましたが
翌週買いますとメールが。
そして先週日曜に引き渡し、憧れのチネリは
僕の手元から、4人目のオーナーの元へといってしまいました。

タイヤ&チューブ、ブレーキワイヤー&ケーブルも昨年変えるなど
そこそこお金もかけてたので
12万円という金額は、良心的であろうと思います。
なんとなくですが、レアものなので
ヤフオクに出していたら、15万ぐらいなかーと思ってました。

でも、気持ちいいすね。
こうやって自転車を愛してくれそうな人柄をわかって、
心地よく送り出せることが。
パン屋さんで日々パンを作っている方でした。
渡す時にはパンをめぐる興味深い話や、
人生のもろもろの話を延々事務所で語りました。
血の通ったやりとりは楽しかったです。

以前、急に余ってしまった「永ちゃん」のチケットを
mixiで譲ったことがありましたが
この時も、渡す時に話して楽しかったですね。
電気工事業の二代目の人で、
亡くなった親父とよく永ちゃんを聴いていたらしく。

そんなわけで、
新車はとりえあず、ちゃんとしたのが
買えるまでは、12万の半額、6万程度で収めようと
今あれこれ迷い中。
安い完成車に安いパーツだけで、
ブルーとオレンジのフラットバーロードを購入するつもりなので
またここで報告します。

本気で欲しいパーツ考えるとどう安く見積もっても
30万ぐらいになってしまうので
なんとか60歳までには(笑)買いたいなあ。。

しっかし、ツイッターおそるべしですよね。

そのうち、「ツイオク」なんてできたりして。

そして、愛情込めたもののやりとりがずっと続く様が
映画化される、とこうなりますね。↓

愛とツイオクの日々」

愛と追憶の日々 [DVD]

ダジャレヌーヴォー―新しい駄洒落 (扶桑社文庫)

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