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2010.4.26 日常日記部

職種を色メガネで見る人が、人と動物の命を共に大切に考えるだろうか

先週の金曜にブログ記事で書いた
『犬と、いのち』をめぐってのトークイベント
について、人づて舞い込んできた話があり、
そのことに関してどうしても書いておきたくなりました。

まずこのトークイベントは、本の著者である渡辺眞子さんと、プロデュース&編集の僕、
そして、ストリッパーでルポライターのヨーコさん、3人のトークイベントです。
僕は、ヨーコさんのことは知らなかったのですが、イベントをセッティングし、
モデレーターとして参加していただく本橋康治さんから聞きました。
以下、最初の文面引用させていただきます。

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彼女も紆余曲折の末、沖縄に移住して遺棄された犬を救ったり、里親探しをしたり、
という活動を仕事の合間にコツコツやっています。
2008年には全国のストリップ劇場で踊り子さんとお客さんが募金を集めて、
小規模な活動ながら、多くの犬が助かりました。
今月末にも何頭かリミットを迎えてしまう犬達がいて私もやきもきしているのですが…。
その辺の経緯については、以下のmixi日記をご参照いただければ幸いです。

ココ
ココ

彼女自身も筆の立つ方で、実話ナックルズに犬の殺処分に関するルポも書いています。

こうして個別に活動している方、他にもいらっしゃるのではないかと思います。
リアルイベントとUSTREAM中継などでこういう問題に注目を集めるきっかけを作り、
大きくネットワークを広げる一助にできればと思います。
『犬と、いのち』にも注目を集めることができますし、
正しい知識を広げることにもつながるのではないかと。

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本橋さんとはちゃんと知り合ってから日は浅いのですが
知的で面白くバランス感覚溢れたクリエーターでリスペクトしています。
その本橋さんが推薦している時点でオッケーなぐらいでしたが、
さらにmixiの日記も見させていただき、その真剣さが伝わってくる活動の内容から
これはかなり動物への思いと、行動力が伴った方だなと、
即、<ぜひごいっしょしたいです!>と本橋さんにお返事しました。
その後もろもろ1週間ほど調整して先週告知をした次第です。

そしてこの週末に僕のところに関係者筋を通じて入った連絡はこんな感じの内容でした。

(1)●ヨーコさんはきちんとした活動をされている方なのか心配している
(2)●朝日新聞出版さんも賛成しているのか知りたい
(3)●『犬と、いのち』が持つ今後の広がりを考えてイベントなどは慎重にしてほしい
  本のイメージを大切にしてほしい

まず、(1)について。
これはまあ言い分自体はわかります。
実際、形だけ動物愛護を標榜してはいても実は特に気持ちも行動もなく
商売やイメージアップにしている団体や個人は存在しているはずだし
そういう人でないかは見極めることは必要です。
mixi日記のURLを貼っていたわけではないですし、
ヨーコさんの名前で検索しても特にヒットしなければ情報がないでしょうから
まあその心配はいたしかたないかなと。
なのでここには公開させていただきました。
そして、ネットになんの情報もないからといっておかしいと決めるのもまた早計。
第一、本名で活動している活動もあるかもしれないし、
また真摯に立ち向かっていてもどこにも書かれていない事例は山ほどあります。
盲導犬、介助犬、聴導犬などのボランティアたちの地道な活動の大部分は
ネットでなんか見られないのは身をもってわかります。
また、極論すれば、特に活動をしていてもいなくても、
ハートが同じ方を向いていれば、この問題に関して話し合うのは
いいことだと思うのですよ。
もちろん、形だけのインチキな人はNGですが(笑)。
ちなみに僕ならば、どんな人か知りたければ自分の目で確かめたいからそこに行くし、
興味がなければいかないだけのこと。

(2)について。
これはまず、版元が賛成していてもいなくても、
イベントは本と別に進めても問題はないことを前提に考えなければいけません。
主催でも共催でも、また後援でもありませんから。
とはいえ、今回はありえませんが、もちろん<やめてください>
と言われれば聞く耳は持っていますし、理由次第ではやめることもありえます。
ここまでは余談的なことでしたが、問題は
<なぜ、その質問が出たか?>です。
それはつまるところ(3)とも関わること。
聞いたわけでもないし、文面を見たわけでもありませんが
どうも言い分のニュアンスに流れるのは
<ストリッパーだからいいのか>だとしか思えないのです。

(3)の言い分がある人にはぜひここから先を読んでいただきと思います。
女性の方は特に、生理的に<ストリッパー>という言葉に対して嫌悪感を
抱いたのではないかと推察できますし、それはまあわかります。
しかし、職業でその人がどんな人かを判断するのは浅はかですよね。
だって、どんな人かの情報がないのに<イメージダウン>と
言っているということは、その肩書きで判断しているのでしょうから。

どんな活動しているかわからない→ストリッパー→よろしくない
→そんな人があの本のイベントに出る→イメージダウン

もしも思考回路がこんな風になっていた人がいるならば猛省を促したいです。
仮に大学教授がイメージアップで
ストリッパーがイメージダウンと考えているようならば
本当にうわべで物を見る人であり、
それこそキレイごと並べられてだまされてしまう人だと思います。

職業を色メガネで見る人、つまり、差別意識のある人が、
人と動物の命を共に大切に考えることができるのだろうか。
うわべの言葉で「犬や猫にもわたしたちと同じいのちがあるのです」
と言っているのではないか、そう思ってしまいます。

ストリップというショーは、エンタテインメントの1ジャンルです。
裸を人前で見せつつお客さんを盛り上げ、寺銭を頂く。
開き直りなんてやすっぽい次元を超えた覚悟、
そして人に楽しんでもらうことの喜び、なにより人を好きで愛する気持ちが
根底にない人にはできないだろうと思うのです。
どんな職業であれ、身ひとつで生計を立てている人は荒波に揉まれているはず。
しかもその中でも、ストリッパーという職業、いろんな意味で語り尽くせぬほど
厳しい環境であろうと想像できます。
イメージダウンと言った方々は、そんなところまで想像が及んでいるだろうか。
本橋さんから聞いた話では、その業界でも一目置かれる偉大な存在の方のようです。
本当にツライところをくぐってきた人のやさしさは土台が違う、
これは、僕が今まで会ってきた人から肌身感覚で積み上げてきた公式のようなものです。
僕はまだヨーコさんとメールでも一度もやりとりしていませんが
澄んだ心を感じ取れました。
イベント当日お会いできるのが楽しみです。

犬と、いのち

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