連載記事


HAMMOCK TIME  ゆるゆる犬ゴコロ

第10回

 その日、私は胸のムラムラが治まらなかったので、水天宮に行ってみることにした。そして「安産ってことで、ひとつお願いします」とは祈らず、犬について真面目に研究してきました。そう、私の胸ムラは、「犬について、ちゃんとした知識を学びたい!」というキモチの動き。水天宮は、「安産の神様」ってことで昔から犬ものが豊富だと聞いていたし、なんとなく、にほひがしたので行ってみた。
 境内。石段の上には、りっぱなこま犬が「あ、うん」と言ってます。「一般的に<あ>がオス。<うん>がメスです」。そう教えてくれたのは、水天宮権爾宜の有馬頼央さん。「えっ、マジですかぁ?」とツッこむ私にも「ええ、本当ですよ」と冷静。神に仕える方はとても上品!(のように見えた)。水天宮は絵馬も犬。絵犬ってことだね。「成長祈願の絵馬犬、頭にカゴをかぶってます。御加護がありますように、っていう意味です」。「えー、やだなぁ、神様ってダジャレ好きなんですか?」聞く私も私だけど、有馬さんは「そういうことではないんですよ」とあくまでも冷静。ま、円楽さんならホメてくれるかもねと、ひとり納得。でも座ぶとんはもらえないぞ、神様!
 有名な犬といえば、みなさんは、忠犬ハチ公を思い出すかな。カレは秋田犬だけど、日本で最初のペット犬は奈良時代に天皇が飼っていた「狆」(ルビ/ちん)。その後江戸時代、大名たちに、鷹狩りのパートナーとして人気だったのはグレイハウンドや、イングリッシュセッター。武士と洋犬ってなんか似合わないよね。今はやっぱり、レトリーバーが根強く人気みたい。
 ぷらぷら歩いていると、とっても素敵な京菓子司があった。黄金芋で有名な壽堂さん。するする入ってみると、それはそれはキレイなお菓子が並んでます。「オオ、ワンダフル!」と外人なら言うでしょう。私は「犬をモチーフに和菓子、作っていただけませんか?」などと。聞いてみるもんです。「お時間いただければ、作ります」との答えをゲッチュ。後日出来上がったお菓子たちは、とってもかわいくて、食べるのが惜しかった(でも食べた/おいしかった)。
 結局、途中、たい焼きも食べたし、こま犬せんべいも買い、勉強に来たハズがおやつを買いに来たみたいになっちゃったな。ま、いっか「急がば回れ」ってね。あ、違ってる?






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